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愛 (角川文庫)愛 (角川文庫)
(2008/04/25)
井上 靖

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井上靖の短篇集。収録されているのは『結婚記念日』、『石庭』、『死と恋と波と』の三篇。
井上靖といえば『氷壁』と『あすなろ物語』を思い出す。個人的には後者の方が好き。

簡単に二篇だけ取り上げる。

『結婚記念日』
死んだ妻と結婚記念日に旅行した思い出話。妻は吝嗇で親戚から評判が悪く、彼女が死んだ後、男に後妻を取らせるようと周りはすすめる。だが男は、いつも曖昧な返事をし、死んだ妻に義理立てして独り身でいようとする。
「みんなは悪く言うけれど、俺だけはあいつの良い所を知っている」という感覚がよく分かる。
巧みな構成と作者の技量が光る好短篇だった。

『死と恋と波と』
自殺を前提においた緊張感のある話。
主人公は金持ちの息子だが、一代で財産を食い潰してしまう。放蕩したわけでなく、手を出した事業が悉く失敗するという不運に見舞われたのだ。そんな男が自殺のために訪れた宿で、同じ目的の女に出会う。
男が食事の席で女には仕掛けたことをきっかけに、二人の計画は狂って行く。
女は死ぬに死に切れず、男の世話になり。男の方も決心が揺れ、宿の外にある断崖まで来てみたものの、結局飛び降りれなかった。その様子を木立の影から見ていた女が、男の元に駆け寄っていって、共に生きてみようと促す。
こういうドラマチックな展開は、作者の得意とするところだろう。

短いので読みやすく、清々しい読後感を味わえた。
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